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ちょっと矛盾を感じるタイトルで始まりましたが、在宅勤務や宣言下の中で長い時間の外出を控えるようになった今、愛犬・愛猫たちと一緒にいる時間が増えたことは飼い主として喜ばしい変化であるとともに、それはきっと彼らも良い変化として感じているのではないかと感じます。
これまでは、仕事などで仕方がないとはいえ、長いお留守番をさせることに対して申し訳なさを感じながら出かける日々や、家に戻るまでの間心配がつきなかったりしていた状況がガラッと変わり、そういった心配事や気持ちの負担がかなり軽減されたのではないでしょうか。彼らもまた、飼い主はいつ帰って来るんだろうか?どこにいったんだろうか?自分は置いていかれたのだろうか?などといった不安に思う気持ちが軽減されているのではないかと思います。一緒にいられるという安心感の中で過ごせるのはお互いに良い影響を与えると感じますね。
が、そんなお留守番時の心配事がなくなったのと入れ替わるように、今度は一緒にいるからこその心配事やお困り事が生まれます。お困り事も様々で、要求吠えが増えたり、イタズラ噛みが増えたなどこれまでには気にならなかった事が目立ってくることが多いです。
その中でも特に切実に相談されることが多いものについて今回は取り上げたいと思います。
当たり前になったものを変えるのは難しい
ここでタイトルに繋がるのですが、今までのお留守番がある生活が<当たり前>だった生活から一緒にいる時間が長い生活が続くと、それが<当たり前>になりやすいので、久しぶりにお留守番をしてもらわなくてはいけなくなった時、今までできていたはずができなくなることが多くなります。
ずっと一緒にいる状況から、一気に1人ぼっちでお留守番になる状況は、非常にインパクトが大きい出来事になります。
ですので、以前にできていたとはいえ、誰もいない不安でパニックになり、その経験の結果次からのお留守番を受け入れてもらうことがとても難しくなります。
ひどい状態だと留守番中にパニックを起こして怪我をしたり危ない状況になることもありますし、これまでできていたから大丈夫。と終わらせずに、まずは少しの時間、数秒から数分と本当に少しずつ、あえてお留守番の状況を作るよう心がけておくことをおすすめします。
離れるなんて考えられなくなる?!
さらに飼い主から離れることに不安を強く感じるようになると、お家の中で一緒に過ごしているのにそばから離れられなくなります。どこにでもついてきたり、ずーっと飼い主をみつめていたり。お風呂やトイレまで一緒に入らないといけなくなるほどに深刻になることもあります。
「寂しがり屋さんで、かわいいなぁ」とか、「しょうがないなぁ」で終わらせられるような状態ではなく、これはいわゆる<分離不安>という状態が当てはまることが考えられます。
ただ、一括りに分離不安と言っても度合いが分かれているのでその状況を見ながら判断が必要ですが、そんな様子を笑って流してしまうと状態は深刻になっていきます。
※これまでとは違うような気になることが少しでもある場合は、早めに信頼できるプロへご相談されることをオススメします。
一緒にいる時間の中にもお互いのプライベートを意識する時間を作ろう
飼い主と離れることが不安で仕方がなくなってくると、ずっと気持ちが休まることがなく、心身共に負担が大きくなります。
そこまでにならないように、同じお家の中にいるけれどお互いに相手のことを気にしすぎず、自分の時間も作るように心がけておくだけでも違ってきます。
時間を作るといっても複雑なことをするわけではなく、少し意識してみることでも変化につながっていきます。
時間を作っても何をすればいいのか?というご質問をよくいただくので、今からすぐに始められることをせっかくなのでここでいくつかご紹介したいと思います。
*1人でいる/何かする時間を作る
食べ物を数箇所に隠して宝探しゲームや知育トイ、ガジガジできるおもちゃなどを活用して、そばにはいるけれど1人で何かに集中することを日常的に経験できると良いですね。
*飼い主が見えない状況でも1人でできることを与える
別のお部屋やお風呂に入る時など姿が見えない状況においても1人で何かに集中したりする経験も大切です。この時も宝探しゲームや知育トイなどを活用するのも良いかと思います。
以上の2つを実行している間、飼い主としてやるべきことは<自分のことをする!>です。見ていることがバレないようにしながら誤飲や何かトラブルなどが起きないようたまに様子を確認しますが、本を読んだり携帯を見たり何かこちらも集中する状況が理想的ですね。
*初めは一瞬のお留守番から いきなり長いお留守番にせず、まずは玄関を出たらすぐに戻るようにして、必ず戻ってくることを経験できるような取り組みが良いですね。
お留守番の時に準備しておくもの
*音 無音だと普段気にならないようなちょっとした音も気になり、不安が大きくなっていくきっかけの1つになります。BGMやラジオ、テレビなども活用できますね。普段の生活をずっと録音・録画したものを流すこともありますよ。
*1人で集中できるもの 安全な設計の知育トイ系や、安全が確保できそうであれば宝探しゲームのような準備も良いかと思います。
*新鮮な飲み水 何かに集中したり食べ物を食べたあとにいつでも飲めるように新鮮なものを準備しておきたいです。たかが水、と思われがちですがお水はとても大切な資源ですので常に準備しておきたいです。
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*休める場所 数秒や数分であれば使うことはほとんどないでしょうが、自分を落ち着かせることを思いついた時にいつも使っているものがそこにあることで、自分で落ち着く行動を取りやすくなることがあります。そういったことも考慮して、いつお通りの場所に準備しておくと良いですね。
※こういった取り組みは、まだお留守番を経験していない子犬や子猫にもぜひやっていただきたい取り組みなので、年齢や経験に関わらずお勧めします!
少し先を見据えて
日々の食事や健康を考えるのと同じように、今やっていることが将来につながるということはトレーニングやこういった取り組みも同じです。
今よりちょっと先のことを意識しながらお家時間の中で少しずつ取り入れることで、しなくてもいい不安な思いや、心配事を軽減し、穏やかに過ごすことへつなげることができます。
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またこの先、生活様式が今と変わることがあるかもしれません。
その時にもお互いが慌てたり不安な気持ちでパニックにならず、その状況を受け入れながら置かれた環境の中で、自分で対処できるようにするための前向きな取り組として続けていくことが大切だと考えています。
少しでもお互いが負担の少ない暮らしを目指していきたいですね!
上原 愛裕美 ドッグトレーニングインストラクター D.I.N.G.O.認定インストラクター/A.D.I.C.T PROスペシャリティ(クリッカートレーナー)/FDET(タレント犬評価試験)ジャッジ 人道的かつ科学的なフェアトレーニングをもとに、人も動物も楽しんで取り組めるようなトレーニング手法をご提案している。 https://dingo.gr.jp
※本ブログは、大切な家族が、いつまでも健康でいてほしい。そう願うすべての方にご提案しています。個人の考えや、個体差がありますのでご参考程度にご覧ください。
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